事業を起こし、継続させることは、経営者にとって時に孤独な戦いとなります。組織内では経済的な関係もあり、良かれと思った改革が裏目に出てしまったり、社員の成長のための助言が素直に聞き入れてもらえなかたり。
また、変化の激しいこの時代に、経営判断を迫られる日々に神経をすり減らしていることも。
FIL DESIGNでは、そのような悩める経営者の方々の、社外相談役になることを目指しています。入り口は「デザイン制作」。そのための経営の課題共有と解決を目標にスタートします。
課題をヒアリングして、現状がどういった状態なのか、また、相談者の強みや弱みがどういったことなのかを整理していきます。製造現場や、顧客との接点になる店内、売り場なども拝見させていただきます。商品やサービスがどのように設計・製造され、発注から納品まで流れていく過程など。そういった情報収集の中で、どこに課題があって、それを改善するために、自社の強みを生かしながら、どうやって解決への緒を繋いでいくのか?
依頼主や担当スタッフとの綿密なやりとりの中で、依頼者が自社の強みを再認識して、どこに課題があったのかを確認し目標を共有できれば、最終的に弊社が提供させていただくツールの企画が定まります。制作物を納品することがゴールではありますが、その制作過程を、弊社では大変重要だと考えています。
伴走支援へのこだわり
目標を共有して達成するまで一緒に
地方創生、地域プロデュースへ
2019年度の中小企業庁の地方創生プログラム「ふるさとデザインアカデミー」の受講生として、長年お世話になっているクライアント、倉敷市と井原市に拠点を置く有限会社 阪本鶏卵様と8ヶ月かけて学び、実践しました。その実装モデルとして、今も大きく飛躍をし続けられています。
「これからの地方の中小企業は、単独1社での一人勝ちはできない。」
この予感、実感のようなものが大きくのしかかっていた当時、これを大きく覆す手法や考え方をOJTとして実践させていただきました。それまで、東京や大阪など中央の市場を狙っていた動きを一転させ、自社の振り返りと地元地域へ目を向けて、様々な情報の掘り返しをしました。自社の真の強みは何か?弱みに見えることが、実はとても魅力的な要素を持っていて、打ち出し方で全く違った訴求ができました。長年事業を続けていくと「こういうものだ」という諦めのような感覚に支配されてしまいますが、熟練した思いのある専門家の視点を入れることで、魅力の再発見に繋がります。
さらに、産地を聖地化し、周辺企業や行政、教育、金融機関などのステークホルダーと連携していく近未来を「ヴィジョンマップ」として見える化することで、自社の本来あるべき姿、地域で必要とされる会社としての確固たる位置付けをすることができました。
コロナ禍の中にあって、同社が飛躍的な成長を遂げることができたのは、これらの地道な作業と意識づけが迷いの無い経営戦略となり、真のブランディング計画として実行し続けられた成果だと思います。ブランディングを「BRAND + ing」と名付けたのは、「ブランドは意識して作り続けていく」という意味をこめています。これからの事業者のあり方、地方のあり方を大きく考えさせられる好事例なのでは無いでしょうか?
また、2030年まで続く持続可能な開発目標に向けての動きの中で、地方の果たす役割はとても重要だと考えています。全ての事業者がつながる、ヴィジョンマップのグランドデザイン、経済と社会と環境が調和する世界の実現に向けて、1社1社への伴走支援を続けて参ります。