ふるさとデザインアカデミー基礎講座。
ここで、今一度、「ブランド」とは?
についての再定義。
「競合相手と差別化され、ユーザーの感情移入が伴ったモノや企業」
ブランドを意図的に作り上げていく仕組みをブランディングと呼ぶ。
ブランドの語源は、昔、放牧で飼われていた牛に焼印を入れて、どこの牧場の牛かを判別していた、というのが発祥だったという。
いろんなモノや情報が溢れている現代で、顧客に選ばれるためにはどうしたら良いか?をみんなが悩んでいるから、すごく重要。だけれども、難しい。
ブランドに愛着を持つプロセスでは、まず、「販促物」を目にして、興味を持つところから始まる。
「販促物を作る」ことがうちの商売の最初の一歩でもあるんだけれど、その前に整えることが実は山ほどあるってこと。
独立当時、こだわりの強い個人事業主の顧客に対して、依頼主が気に入ったデザインを提供し続けていた。
でも、それが果たして、本当に依頼主のためになっているのか?という問いが生まれて、今に至っている。
事業規模に関わらず、ブランドを作り上げるには、とっても時間がかかる。
企業には、機能的価値と情緒的価値があって、昔は機能的価値だけを訴求してれば売れたけれど、今は、それだけでは中小企業や小規模事業者は、大企業には勝てない。
価格競争に巻き込まれてしまうだけ。
だから、ブランドの核となる事業者の「理念」「活動」「思い」を伝えていかないといけない。
それが情緒的価値になり、共感を呼び、愛着を持っていただけることにつながる。
独立当時、一枚の名刺を作るのに、「なぜ、その仕事を始めたのですか?」とよく聞いていた。
もしくは、個人事業主の方に、前職や仕事歴を伺って、なぜその職場を離れたのか?なぜ独立してまで、つまり、リスクを冒してまで開業しようとしたのか?後継者の方には、ご自身の代で、何を目指したいのか?
「お客様に喜んでいただいたエピソードを聞かせてください。」
そういう問答を通じて、ゆっくりと炙り出されていくものじゃないかな、って。
そして、「独自性」
その事業者だけが持っている技術や能力、人など。
これって、中の人は意外と気づけない。
私たちのような他所者が現場に入って初めて光が当たることが多い。
長年営業していると、それが当たり前になってしまっているから。
その当たり前の中に、他にはない魅力や特色、強みがあったりする。
一見、弱みに見えることが、実は強みに裏返ることも。
更に私たちが目指すのは、「地域」に根ざしたブランド作り。
なので、その思いとともに、「地域性」の再確認も必要になる。
これもまた、現場に伺って、根掘り葉掘り、宝探しをしていく。
昨今、コロナでzoomやオンラインもいいんだけど、
このままじゃ本当の意味でのブランド作りや宝探しができないなって思う。
現場の空気感、なんとなく漂うオーラみたいなものって、実はとても大切なこと。
だって、そこにお客様を呼び入れたいんでしょ?
その空気感を知らずに、どうやってブランディングやらUX(ユーザーエクスペリエンスデザイン=顧客体験の設計)していくんですか?
なんて、すごーーーく思っている。
このブランドの思い・独自性・地域性をコンセプトとして、市場・流通・販路開拓などの一連の流れを捉えつつ、商品開発やパッケージデザイン、営業ツール、売り場のデザインへと展開していく。
1事業者への支援を1本の線とすると、地域全体を面として捉える地域ブランディング、ソーシャルデザインへと展開していく。
情報の炙り出しと選別と編集作業、とてつもなく長い道のりだけれど、これはまるで、人類未踏の地にわけいって、地図を引き直す感覚なのだ。
基礎講座、まだまだ続く。。。。
次回は、マーケティングなど男性脳的なお話も。